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種生物学会 - The Society for the Study of Species Biology

Last Updated on 05-04-2017

【連絡】第47回 種生物学シンポジウムのご案内(プログラム)

初回のお知らせはこちらから

種生物学シンポジウムは,今年から数年,新たな開催スタイルを模索します。

私たちのシンポジウムは,老若男女を問わず,気鋭研究者が全国から集う合宿型を基本的に維持しながら,約半世紀を経てきました。その間,少しずつ開催スタイルは変化してきたものの,初日夜のプレシンポと続く2日間のシンポジウム形式を維持し好評を得てきました。しかし,さらに議論活発で研究刺激に満ちた場として種生物学シンポジウムを機能させるために,今回より新たな開催スタイルをスタートさせます。従来の濃密なシンポジウム講演はもとより,参加者のポスターによる研究情報交換の時間を充分にとり,それに続く合宿型議論の充実をはかります。

是非,新しい種生物学会シンポジウムをお楽しみください!

  会期:2015年12月4日(金)~12月6日(日)

  会場:かんぽの宿 岐阜羽島(岐阜県羽島市桑原町午南1041) 

 

■参加・宿泊申し込み

参加・宿泊の申し込みはオンラインを通じて行います。

⇒ 参加申込みはこちらから


 

会場アクセス

新幹線岐阜羽島駅と名鉄一宮駅より送迎バスがでます(シンポジウム初日12/4)。

> 送迎バス乗車場

●自家用車の場合,名神高速道路・岐阜羽島インターが便利です。

> 会場には予約不要の自家用車用の広大な駐車場があります。


 

スケジュール

【12月4日(金)】

16:30 - 受付開始・ポスター貼付

17:30 - プレシンポジウム 1

     「野外自然観察におけるデジタル撮影」

     川窪伸光(岐阜大学・応用生物科学部)

 フィールドワーカーにとって自然観察の基本は五感の駆使であることは言うまでもない。そして,それら五感が工業的機器の進歩によって拡張されるにしたがって,自然科学的観察の内容は変貌をとげてきた。それらの実験測定器具類は拡張された感覚器(人工的五感)として,物性測定,化学分析,音響解析,画像解析などを楽々と確実にこなし,私たちの自然への理解を深めるデータを提示してきた。特に視覚の拡張的発展は,かつての望遠鏡・顕微鏡・カメラなどの発明によってもたらされ,我々は数々の自然科学的発見を享受してきた。そして現在,野外における視覚的観察記録は,かつてのフィルムによる写真と動画記録から,デジタル機器による電子情報記録へと変革してきた。この変革によって,私たちフィールドワーカーの観察記録,解析にどんな新たな研究発展がもたらされるのか?私のデジタル機器による観察例を紹介しつつ議論してみたい。

18:30 -19:30 夕食

19:30 -20:00 プレシンポジウム 2

     「デジタルカメラ撮影手法と実践(実習編)」

     川窪伸光(岐阜大学・応用生物科学部)

 安価で簡単に野外で使用できるデジタル撮影機器をどのように使ったら良いのか?実際に様々なカメラを展示して参加者に触れていただき,その上で,小型デジタルカメラ,ビデオカメラの使用に関する「お悩み相談室」を開設します。この実習が,今後のフィールドワークにお役に立てれば幸いです。(当日,ご自分のカメラをお持ちいただくと,より実践的です。ごくごく初心者から上級者まで,どんな悩みにもお答えします。)

20:00 -21:00 特別講演

     「日本酒の味わいと特性・中部編」

     副島顕子(熊本大学・理学部)

 「酒米ハンドブック」(文一総合出版)の著者であり植物分類学者である副島先生をお招きし,中部地方の選りすぐりの日本酒を前に,試飲をしつつ,それらの味わいと特性の講義をいただきます。

21:00 - 交流会(日本酒の試飲を含む)

 

 

【12月5日(土)】

9:30 -10:30 ポスター発表・前半奇数コアタイム

10:30 -11:30 ポスター発表・後半偶数コアタイム

11:50 -12:50 昼食

12:50 -13:50 特別講演【フィールド調査,泣き笑い】

この講演では,悪戦苦闘するフィールドワーカーの実態に迫ります。

「植物の柔軟な環境応答から紐解く防御共生の新たな利点」

     山尾 僚 (弘前大学 農学生命科学部 生物学科)

 植物は、4億年以上続く動物との食うー食われる関係の中で、食われまいとする"抵抗性"や被食による被害を軽減する"耐性"など、多様な防御形質を進化させてきた。いくつかの植物種は、寄生蜂やアリ類などと共生し、植食者を排除してもらう生物的抵抗性(防御共生)を進化させている。私は、想像を超えた植物の柔軟な環境応答に翻弄されつつも、それらを詳細に解析することで、植物がアリ類と防御共生を結ぶ利点を明らかにしてきた。本シンポジウムでは、失敗談を交えながらこれまでの研究と現在の取り組みについて紹介する。

14:00 -15:00 片岡奨励賞・受賞講演会

15:30 -17:30 種生物学会2015年度総会

18:00 -21:00 懇親会(片岡奨励賞・Plant Species Biology論文賞・ポスター賞授賞式を含む)

 

 

【12月6日(日)】

9:30 -12:00  シンポジウム(午前の部)

「送粉者としてのチョウを考える」

企画者 坂本亮太・川窪伸光(岐阜大学・応用生物科学部)

 

 

9:30 -9:50  企画趣旨説明:これまでの蝶とこれからのチョウ

     坂本亮太(岐阜大学・応用生物科学部)

 蝶は花に来る虫として広く一般に知られている昆虫のひとつである。美しい翅の模様やひらひらと舞う蝶の姿は強い芸術的モチーフであり,生物科学においても,数多の自然史研究が行われ,生活史をはじめとする蝶の世界は広く紹介されてきた。しかしながら,送粉生態学におけるチョウ類の世界は,十分に理解されているとは言えない。なぜなら,自らのルーツを養蜂学にもつ送粉生態学では,古くから主役はミツバチ・マルハナバチなどの社会性ハナバチ類であり,チョウ類が主役となることは少なかったからである。加えて,花蜜を集めない単独性であるために多くの訪花観察数が望めず,根気良く同じ花を訪れているようにはとても見えないチョウ類は,「気まぐれな訪花者」や「忘れられた送粉者」として認識されてきた。

 では,訪花しているチョウ類をこれからも見て見ぬふりをし続けて良いのだろうか?本シンポジウムでは初めに,企画者らが行ってきた野外観察によって,アゲハチョウ属がシソ科クサギの結実に対して大きく貢献していること,さらにはスローモーション動画撮影を用いて,その要因となる行動を明らかにした研究例を紹介する。具体例をもとに,チョウ類は決して役に立たない送粉者ではなく,植物の繁殖成功の多寡に強く影響していることを示す。その後,チョウ類による花形質への学習能力(香取)・色や偏光に対する認知能力(木下)・チョウ類に特有の飛翔能力(菊池)について,それぞれの視点から講演いただく。コメンテーター(大橋)および会場での質疑応答を含め,送粉者としてのチョウ類の特徴を議論し,送粉生態学の下で,ハナバチ類と同じ目線で語ってよい点,異なる視点で語るべき点を明確にし,これからの送粉者としてのチョウ類の位置づけを見出したい。

9:50 -10:50 「チョウの訪花学習」

     香取郁夫(近畿大学・農学部)

 訪花昆虫の中で、チョウはハチ目、特にミツバチやマルハナバチなど真社会性ハナバチほどには学習能力はないだろうと長く考えられてきた。しかし近年、チョウの訪花学習性に関しては多くの知見が集まり、チョウは意外と学習するという見解が主流ではないだろうか。本講演では、まずチョウの訪花行動における花の色学習について紹介する。具体的に、チョウは報酬学習と無報酬学習を共に行えること、また報酬学習の学習速度(賢さの指標)はチョウの種類によって異なることを示す。さらにこの学習速度を他の訪花昆虫と実験的に比較したところ、調査した中ではマルハナバチが最も学習速度が速かったが、次いでチョウのグループが速く、単独性のハナバチの一種やハナアブの一種よりも速かった。また最近の研究ではチョウは花の色だけでなく匂いも学習し、色と匂いを両方学習することで、より学習速度をアップできることが分かってきた。これらの知見をハチと比較する。

11:00 -12:00 ナミアゲハ網膜構成と視覚機能 -- 色・明るさ・偏光 --」

     木下充代(総合研究大学院大学・先導研)

 優れた視覚行動を示すハチやチョウなどの訪花性昆虫は、古くから視覚の仕組みを明らかにする対象としてとりあげられてきた。ナミアゲハ(Papilio xuthus)は、複眼における色受容細胞の構成が最も詳しく理解されている昆虫の一つである。その網膜には6種類の異なる波長に感度を持つ色受容細胞があり、それぞれの受容細胞は固有の偏光感度をもつ。これらの色受容細胞の組み合わせで、個眼は3種類のタイプに分かれる。網膜の構成に加え、アゲハでは求蜜行動を指標とした視覚刺激の弁別実験により、色覚に加え、明るさ・偏光振動面の弁別能を持つことなどがわかっている。本講演では、彼らの複雑な色受容細胞構成が、色覚・明度視・偏光視にどのように関わるのかを神経行動学的アプローチで迫ってみたい。

12:00 -13:00 昼食

13:00 -15:40  シンポジウム(午後の部)

13:00 -14:00 蝶型はばたき飛翔の力学的解析(ひらひら飛行ロボットの実現を目指して)」

     菊池耕生(千葉工業大学・工学部)

 トンボに比べて翅の自由度が少なく,飛行性能に劣ると思われがちな蝶ですが,群馬から台湾まで渡りが可能なエネルギ効率や1/4はばたきで直角に向きを変えられる旋回性などを考えると,あの「ひらひら」にはとてもすばらしい能力が秘められています.翅の自由度が少ないということも,実は,小型飛行ロボットの開発においては大きなプラスになっています.ここでは,昆虫が,センチメートルという世界の力学特性によって優雅に飛んでいる様子をスケール則の視点から説明します.また,蝶の翅周りの複雑な空気の流れを数値計算力学に基づくシミュレーションにより可視化します.昆虫は,渦使いと言われています.はばたきによって作り出した空気の渦を揚力の改善や姿勢の安定化に利用しています.最後に,これらに基づいて製作した翼幅10cm,質量500mgのはばたきロボットを紹介します.

14:10 -15:00 花の進化におけるチョウの役割を考える

     大橋一晴(筑波大学・生命環境科学)コメンテーター

 

15:10 -15:40 総合討論

16:00  解散・送迎バス出発

 

 

★ 子連れ参加支援

託児利用やお子様連れでの宿泊希望の方は、参加申し込みの登録フォームの備考欄に、利用日時と利用時のお子様の年齢をご記入下さい。個別に詳細を連絡します。※託児所は、施設内に保育士常駐の部屋を用意します(125日・6日の全日)。

 

 

第47回種生物学シンポジウム実行委員会 委員長 坂本亮太

                  大会会長 川窪伸光

シンポジウムに関する問い合わせ:speciesbiology.47@gmail.com

学会運営,会員情報に関する取り合わせ:office@speciesbiology.org

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