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新しい和文誌「種分化の生物学 生物多様性を生み出す進化のしくみ」(種生物学研究 46号)を 2025年10月7日に発行しました

新着情報 2025年10月25日

種分化学の基礎から応用まで学べる新しい和文誌

「種分化の生物学 生物多様性を生み出す進化のしくみ」阪口翔太, 村中智明, 川北 篤 責任編集 / A5判 / 248ページ ISBN 978-4-8299-6213-8 定価3,740円(本体3,400円+10%税)が文一総合出版より2025年10月7日に出版されました。
https://www.bun-ichi.co.jp/tabid/57/pdid/978-4-8299-6212-1/Default.aspx

書籍の内容

本書では,第50回種生物学シンポジウム『種が生まれるとき―種分化における適応と隔離の意義を探る』の内容を中心に,生物の種分化に関する最新の研究成果がまとめられています。第一部「種分化ことはじめ」では,種分化研究の基礎的な枠組みを概説し,第二部では植物・昆虫・魚類を対象とした研究事例を紹介しています。具体的には,生態的種分化,種分化のゲノミクス,交雑がもたらす種分化,倍数化種分化における遺伝子発現の役割など,種分化研究の中心にあるテーマが扱われています。さらに本書では,生殖隔離の定量,種分化の転換点,形質の地理変異といったコラムも収録しており,基礎から応用まで体系的に理解できる構成となっています。進化研究を志す学生の方はもちろん,生きものの歴史や生物多様性に関心をお持ちの方にもおすすめの一冊です。

https://www.speciesbiology.org/publications/46speciation/index.html

目次
第1部 種分化を体系的に理解する
 第1章 種分化ことはじめ ―阪口 翔太
 コラム1 生殖隔離の定量化 ―松林 圭

第2部 個別の事例から種分化を学ぶ
 第2章 自然選択が引き起こすアキノキリンソウの種分化 ―阪口 翔太
 第3章 6年に1度の一斉開花の進化と生殖隔離 ―柿嶋 聡
 第4章 集団の地理的分断から生殖後隔離~ガガンボカゲロウを用いた種分化研究~ ―竹中 將起・東城 幸治
 コラム2 日本列島の形成史-形成過程とその原動力- ―竹中 將起
 第5章 種分化の生態ゲノム学 ―北野 潤
 コラム3 種分化の転換点-A tipping point in speciation- ―山口 諒
 第6章 適応と交雑が織りなす複雑な種のかたち ―松林 圭
 第7章 雑種形成がもたらす劇的な開花期シフト ―野村 康之
 コラム4 種分化における遺伝子流動の多様な働き ―野村 康之
 第8章 分布域の境界で起こる浸透性交雑:キイチゴ属に見られる交雑帯と環境勾配 ―三村 真紀子
 コラム5 形質の地理的な変異と種分化 髙橋 大樹
 第9章 有性生殖を二次的にやめたシダ植物の無配生殖種の多様化 ―村上 哲明・堀 清鷹
 第10章 倍数化種分化における遺伝子発現解析 ―清水(稲継)理恵